田舎町を蝕む邪悪！

邪悪な存在に憑りつかれ肥大して腐り果てた男の身体。悪臭を放つそいつをトラックの荷台に乗せて、街から遠く離れたどこかに捨てて無かったことにしようとしたのがそもそもの間違いだった。肉体は忽然と消え、邪悪なる存在が感染、田舎町を破滅へと導いてゆく・・・

アルゼンチンからとてつもなく恐ろしいホラーが登場したと、昨年より情報通なホラーファンの間では話題沸騰の本作ですが、全編、異様な緊張感が漲り、観終えた後は疲労困憊となる代物で、これは話題となるのも当然の恐るべき映画でした！一種の感染系ホラーゆえに当然のようにコロナ渦を彷彿させたり、或いは火薬の使用で感染が拡散する辺り、収束の兆しどころかますます拡大する戦火という、昨今の世界情勢を敏感に反映していたりもする。が、そんな浅はかな考察を軽々と粉砕するような、単純にただただ恐ろしいド直球ホラー映画でした。トラウマ級のショック描写もたっぷり用意されておりますが、敢えて書くようなことはいたしません。ただ、日頃ホラー映画を観る際に、ほとんど無意識の内に身も心も安全圏に置いており、その境界を越えてくるような描写を目にすると、思いっきり動揺してしまう・・・そんな己のメンタルの脆さを痛感させるような描写や設定、きっついわ。あと、上手くいかない主人公たちの焦燥っぷりを見ていると、頑張るほどに色々と裏目に出るという、現実の人生にありがちな辛味を味わわされるようで、これもきっついわ。覚悟して楽しみましょう！