The Sky Has Fallen (2006) ※監督直筆サイン入りDVD
\2200

あらすじ
新型の疫病により、数時間で人類が死滅の危機に瀕する状況の中、感染を逃れるべく人里離れた場所に逃げ込んだ人々。彼らはそこで、死体を運び去り実験を行う、謎めいた黒い影を目撃する。今、反撃を決意したサバイバー、ランスとレイチェルは、人類が滅亡する前に、これらクリーチャーのリーダーを抹殺せなければならない・・・

ダグ・ルース監督ご自身による解説
アメリカの片田舎で2006年、私が22 歳だったとき、初の長編映画『THE SKY HAS FALLEN』の脚本、監督、撮影、編集を行いました。日本映画『VERSUS』は、黒澤明監督の『用心棒』や『椿三十郎』のような古典的サムライ映画と並び、私にとって大きなインスピレーションとなりました。
私はこれらの映画を、『VERSUS』のメイキングも含め、何度も見ました (北村龍平監督は、『マッドマックス2』を見て映画作りを学んだと言い、CGI が苦手だと話していました)。 最近、北村監督の最初の映画『DOWN TO HELL』を見れたのは、素晴らしい経験でした。おそらく『VERSUS』よりもこちらの方が『THE SKY HAS FALLEN』 の予算や規模に近いでしょう。私も、黒澤の名作群における三船敏郎や、あるいは坂口拓​​のような俳優を見つけられたら良かったのですが。
長編アニメ『獣兵衛忍風帖』 も、悲劇的なラブストーリー、インスピレーションに満ちた演出、驚くべき流血で、私に驚異的な影響を与えました。私は昔から日本映画が好きで、日本の文化に興味がありました。

『THE SKY HAS FALLEN』の特殊効果は、CGではなく、すべてプラクティカル・エフェクトです。私はプラクティカル・エフェクトが大好きで、『エイリアン2』『遊星からの物体X』『プレデター』『ターミネーター』といった80年代のホラーを観て育ったので、自分の映画は全てプラクティカル・エフェクトだけでやりたいと思っています。

私は『THE SKY HAS FALLEN』で別種の終末論的映画を作りたかったので、本作は核戦争後ではなく、典型的なモノトーンの黙示録的外観でもありません。自然が依然として美しいことは理にかなっており、その美しさと、謎の黒い影が作る血まみれの恐ろしいゾンビとの強いコントラストが狙いでした。
また、典型的なゾンビ映画もやりたくありませんでした。私はロメロとフルチの大ファンですが、これらすべての影響を組み合わせたユニークなものを作りたかったので、実験で人間の武器に作り変えられた、私の「ゾンビ」は決して人を食べません。
人々が生き延びようと右往左往しているだけの多くのポストアポカリプス映画とは異なり、キャラクターに明確な目標と動機を与えて、ストーリーがより重要になるようにしたかった。ランスとレイチェルは、人類が絶滅するのを阻止するために、黒い影のリーダーを追い詰めようとしているのです。

この映画では、PTSDも扱っています。2人の主人公が辛い過去の経験によるPTSDに大きく苦しんでいるため、感情を抑え、お互いに距離を保とうとしています。
また、すべてが失われて絶望的に見えても、どんなに悪いことが起こってもあきらめない、という深いメッセージを映画に持たせたいと思っていました。罪悪感や、苦しみ、愛する人を失うなど、罪なき者の苦悩など、さまざまな層を映画に持たせたかったのです。この映画を繰り返し観ることで、決まった一つだけの結論でなく、より多くの意味を見出して頂けると嬉しく思います。

私の夢は常に映画監督になることでした。小学校3年生時、先生にそのことを話し、12歳の時に初めて短編映画を作りました。私が子供の頃、まだ実際に短編映画を作る前は、映画の一コマを透明なプラスチックに描き、それらを切り取って、映写スライドのように壁に画像を投影していました。私は昔から映画が好きで、物語を語りたいと思っており、子供の頃はいつもホラーストーリーを書いたり描いたりしていました。

『THE SKY HAS FALLEN』には持てるすべてを注ぎ込み、可能な限り最高の映画にしたいと思いました。これが自分が作る最初で最後の映画かもしれない、だから本当に素晴らしいものにしたかったのです。それは私にとって情熱に満ちたプロジェクトでした。私はこの映画のために 800 以上の絵コンテを描き、何度も脚本を書き直しました (当初は黙示録の前に行われる父と息子の物語になる予定でしたが、脚本がイマイチだったので最初からやり直しました。もっとも、そのバージョンは今作に繋がっておりますが)。
小売店で徹夜で働いてお金を貯めたものの、自分のポッケには、ほんの僅かな予算しかありませんでした。私はこの映画を作るために多くのことを学び、2009 年の「フリーク ショー・ホラーフィルムフェスティバル」で最優秀賞を獲得、2009 年の「インディー ギャザリングフィルム フェスティバル」で最優秀ホラー映画賞を獲得することが出来ました。
しかし、本作は決して完璧ではありません。『THE SKY HAS FALLEN』は、多くの特殊効果を含む舞台裏のほぼすべてを私が担当している、完全なインディーズ映画です。本当に多くのことを学び、三本目の長編映画 『BAKEMONO』では、遂に日本で実際に映画を作ることが出来るようになりました。

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