Remember (2015)
\4180

アトム・エゴヤン監督最新作はアウシュビッツで家族を殺された痴呆老人の、人生最後の復讐の旅路を描く、狼たちの挽歌

老人ホームに入居中のゼブは、妻がすでに死んでいることも忘れてしまう痴呆気味の老人。車いすの老人マックスとは、かつて家族をアウシュビッツで殺された者同士。そんなゼブが、家族の仇であり、今では一般市民として生活を営む元ナチスたちに復讐すべく施設を抜け出す。だが人生最後の旅路は、ゼブにとっては現実を突き付ける過酷なものであった・・・。

強面のクリストファー・プラマーが銃を構えるジャケは映画のイメージをまるで正確には伝えていない。銃砲店でグロックを買っても使い方が分からず、相手に恫喝されるとお漏らししてしまうような、気の毒なおじいちゃんなんです。そんな彼が、旅の終着点で直面する真実。その時、本作のタイトルがズッシリと観客の胸に響く。

閉じる