リバーシブルジャケット仕様
Night Feeder (1988)
\4950

80年代SOV(Shot on Video)ホラーの知られざる怪作!


80年代中頃より、手軽さとコスト面から徐々に登場し始めたビデオ撮りのホラー映画。当時の機材は、現在とは比べるべくもない性能だったため、撮り上がった映像は、それまでのフィルム撮りの映画とは明らかに異質な、妙な生々しさがあった。荒くて色の階調も少なく、即物的な印象を与えるそれらSOV映画に拒絶反応を起こすファンも多かったが、時代とともに映画に対する価値観は多様化。様々なアングルから映画を愉しむ術を心得た余裕のある人々は、そうした一見負の要素と思える部分も含めて魅力と捉え、支持しているのもまた事実。そんなSOVホラーからまた一つ、80年代初頭にベイエリアのパンクシーンを牽引したバンド、ザ・ナンズが映画製作に乗りだし、自ら出演も果たす日本未公開タイトル「Night Feeder」がBlu-ray化、マニアの度肝を抜いた。

サンフランシスコの下町で起きた謎の連続殺人事件。パンクバンドの周囲に蔓延る麻薬か、それともフリーキーな外見で嫌われているルンペンの仕業か・・・美人ジャーナリストのジーンは、当初は反目しあっていた警部にやがて惹かれ、ベッドを共にしながらも、事件の真相に迫る。犠牲者の脳みそをすする凶悪な犯人は、驚くほど身近な場所に!?

じっくりと描かれる被害者の解剖シーンは、中盤の見せ場だが、メスで切れ目を入れて頭皮を剥がすとあらわになる頭蓋骨。さらに頭蓋骨を開頭すると、大脳がそっくり消失しているというこのショックシーンは、自主制作ホラーにおいては相当に力の入った部類であり、思わず唸る。そして、クライマックスで判明する殺人鬼の正体は、トラッシュホラー好きを喜ばせること必至なので、ぜひとのその目でお確かめ頂きたく思う次第です。