メサイア・オブ・デッド
Messiah Of Evil (1973)
\5,500
店主的にゾンビ映画のTOP3に入るかというほど大好きなホラーです

精神病院に収容された女が回想するのは、父を探して訪れた海辺の町ポイント・デューンで体験したゾンビ伝説・・・。

ラヴクラフトの『インスマウスの影』を『欲望』の頃のミケランジェロ・アントニオーニが映画化したような印象、と魅力的な例えで語られることもある本作は、ゾンビ映画としてのスリルよりも、ユーロトラッシュに通ずる不可思議な雰囲気を重視した異色の傑作。イルミネーションだけが輝く人気のない夜の街。深夜のスーパーマーケットの生鮮食品売り場の生肉を貪るゾンビたち。映画館で血の涙を流しながら西部劇を観ているゾンビたち・・・観る者を孤立感で不安にさせずにはおかない、恐怖の原風景とでも言えるイメージの連発が強烈な印象を残す。ストーリーの鍵となるポイント・デューンの伝説に登場する邪悪な救世主100年目の再臨から『セカンド・カミング』の別タイトルを持つ本作だが、女が語る虚ろな声の響きは、伝説が現実なのか妄想なのか、その境界線を無きものとする。

監督は後に愛すべき迷作『ハワード・ザ・ダック』を撮るウィラード・ハイク&グロリア・カッツ夫妻。待望の4Kレストアによりブルーレイ化!