良い意味でジェス・フランコらしからぬ、80年代ホラーファン必見作！
自分の患者の凶行により、大切な妹がふた目と見られない顔になってしまった。妹を愛する整形外科医は、若い女性の皮膚を求めて夜のパリの街へ・・・ジェス・フランコ監督が60年代に撮った「美女の皮を剥ぐ男」を、自らの手で、グロテスク描写をふんだんに盛り込んで現代風にアレンジ、復活させた怪作！眼球に注射を刺すわ、電気ドリルが炸裂するわで、もうやめられない止まらない状態。
特殊メイクに「スペース・バンパイア」のJ・ガスティニーを迎えて望んだ顔面皮膚移植シーンは、そのクオリティに思わず唸る。
さらに目を疑う豪華な出演陣の顔ぶれ。ヘルムート・バーガー、キャロライン・マンロー、テリー・サバラス、クリス・ミッチャム。ジャン・ローラン映画でお馴染みのポルノ・クィーン、ブリジット・ラーエの存在感に魅せられ、オルロフ博士役でハワード・ヴェルノンが登場するやフランコ・ファンは昇天である。
きっちりと作り込まれた本作のクオリティは、即興演出を好んだフランコらしさを薄めてはいるが、むしろ80年代ホラーファンに広く門戸を開くオーライな結果となっている。
今回のUHD+BDコンボはオリジナルネガからの4Kスキャンによる本編、ブリジット・ラーエら関係者のコメンタリー他、BDにはパロディ短編も収録されている。 |