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ビル‘チョップトップ’モーズリィさん来日記

さてビルさんご一行とタクシーで一路、シェラトン都ホテルへ。 すぐに高速に乗ったんですが、なんでもマリオン、高速道路の標識がお気に入りのようで。なにがお気にめしたのやら・・・??

そしてコルチ一家からモーズリィ一家に用意してきたプレゼントの箸を渡す。男箸ひとつと、女性用を三っつ。

ヨメはん「チョップトップにチョップスティック。ぷぷ。」
コルチ「くだらんわい!」
女性陣「わぁ、ステキ!ステキ!」
ビル「おぉ、こりゃクールだね。ありがとう!」
ジェーン「パパのみせて、みせて!」
マリオン「わたしの、うさぎが描いてある!」

車内の明かり点けてもらい、みなさんその場で開封し、お互いに見せ合っては大変喜んでくれました。 マリオンがお返しとばかりに、大事に抱えていたキャンディ缶からわれわれにキャンディをくれましたよ。ハハ、なんて気がきく9歳児だ。

とりあえず、
コルチ「自分の英語、ヘボくてすんません」
とあらためてお詫びすると、
ビル「いやなに、全然問題ないよ。おれなんか‘アリガト’と‘コンバンワ’の二つしか、日本語知らんよ」
マリオン「わたし、‘コンニチワ’しってる!」
いやぁ、お心遣いありがとうございます。 かなり気持ちが楽になりました。

その後、明日のスケジュール表を渡したんですが、そもそも走行中のタクシー内では暗くて確認など出来るはずも無く、
コルチ「明日、14:00にホテルロビーに迎えに行きますんで」
ってことだけ伝え、
ビル「よしOK、14:00な」
はい、打合せ終了。

ビルさんがご家族をあらためて紹介して下さりまして、

ビル「ルシンダは女優でさ、『プロフェシー』とかスティーヴン・キング『痩せゆく男』なんかに出てるんだ」
コルチ「おぉ!それはそれは」
ビル「ジェーンは今アートカレッジの学生でね、映画を作ってるんだよ」
コルチ「へぇ、ほんとに!」
ジェーン「映画っていっても、ほんの2〜3分の短編なんだけど・・・」
ビル「塚本の『鉄男』とか大友の『アキラ』みたいに、腕が変形する映画だよな」
コルチ「うはっ、観たいっす!ところでせっかくならお父上と映画作ってみては?」
とかなんとか、無責任発言をかましていたコルチ。

ヨメはん「うちのだんなも美大で映画作ってたんだよ」
コルチ「そんな恥ずかしい昔話、ほっとけや!」
ジェーン「へー、ほんと!?どんな映画撮ってたの?」
ヨメはん「これが、全く意味不明な映画でさ」
ビル「うん、それがアートってやつさ」
コルチ、引きつりながら笑うしかありませんでした・・・。

途切れることなく続くおしゃべりのなか、『ツインピークス』の話題がでたところで
コルチ「TVシリーズといえば、ビルさん出演の『Carnivale』今見てるんですよ。あのクオリティはホントすばらしいですね!」
ビル「あぁ『Carnivale』ね!あれにはルシンダも出演してるんだよ、マザー役さ」
コルチ「おぉ、マザーですか!」
ルシンダへ向き直り
コリチ「はじめまして、マザー!」
ルシンダ「アハハ、どうもはじめまして!」
と握手を交わしていたお調子者コルチ。

タクシーは快調に都内を目指しており、

コルチ「『悪魔のいけにえ2』はサントラも最高ですな!」
ビル「その通り!!ティムバック3にクランプス、どれもこれも最高さ。クランプスの‘Goo Goo Muck ’は・・・」云々かんぬん
その熱のこもった喋りっぷりは、もはやこちらが英語のダメな日本人ということを軽く忘れいるようでして・・・しかも
ビル「KOKLA〜♪」
と、例のラジオ放送のイントロを口ずさみ、あの‘Goo Goo Muck ’の出だしを歌いだすではないか! つぉはっ!目の前でチョップトップのナマ歌だ!!ヤバ過ぎる!!!

あまりの感激に、悶死寸前になりつつ、
コルチ「いやぁ、ビルさんは音楽も詳しいっすよねー」
そんな、腑抜けたコメントにすかさずビルさん
ビル「Music is my life !」
びでぶっ!おっしゃる通りでございました。

気がつけばビル・モーズリィさんご一行を乗せたタクシーは湾岸エリアへ。前方に広がる夜景に皆さん感嘆のご様子。そして左手にはディズニーランドが。

ヨメはん「ほら、あそこにディズニーランドが見えますよ〜」
ビル「ふーむ・・・ディズニーランドはもう充分だよ。アメリカではいつだってディズニー、ディズニーさ」
ヨメはん「あらら、それもそうかしら・・・」
ビル「うちでは子どもたちにはディズニーは見せてないんだ。代わりにゴジラとか怪獣映画を見せてるのさ!」
コルチ「そりゃ素晴らしいですな」
ビル「そうさ!メカゴジラ、モスラ、ラドン、ミニラ、エビラ、キングシーサー・・・ 」
と出るわ出るわ、怪獣の名前が続々と。ビルさんモノホンのマニアのようです。

コルチ「ところでケン・フォーリーさんがうちの店でサイン会やった時にですね、お店にあったビルさんの写真をみて‘Oohhhh〜、ビル・モーズリィ〜’って言いながらニヤニヤしてましたよ。それが何を意味するのかは分からないんですがね・・・」
ビルさん大笑いしつつ
ビル「OK、今度はおれが‘Oohhhh〜、ケン・フォーリィ〜’って言ってやるぞ!」

コルチ「コーンバグズにモーズリィ・ブラザーズ。ビルさんの音楽活動はグレイトですね。そこで私の勝手な夢のプロジェクトを発表いたしますと、エド・ニール氏とビルさんの夢のユニット‘ソーヤーツインズ’なんてのはどうでしょう?」
ビル「わはは、エド・ニールか。いいね!彼はほんとナイスガイなんだよ」
ジェーン「誰?誰の話?」
ビル「エド・ニール。オリジナル『悪魔のいけにえ』のヒッチハイカーさ」

ビル「三池はクレージーで最高にクールだよね。『オーディション』に『殺し屋1』、なんだっけあのコンピューターの女の子の映画?」
コルチ「それはもしや『アンドロメディア』?」
ビル「それそれ!あと『DEAD OR ALIVE 犯罪者』、あれって信じられない映画だよな!」
と言いながら、あのラストを身振り手振りを交えて再現するビルさん。
心底、三池監督が好きなんすなぁ。実は来日が決まった時にビルさんからメールで、
ビル「クレイジーなお願いだってのは重々承知してるんだけどさ、三池に会えないかな」
とリクエストがあったんですよね。
コルチ「申し訳ないっ!一ショップ店員でカネもコネも無いコルチには無理っす」
と伝えたところ、
ビル「了解。そもそもこれは、君がおれにジョニー・デップに会わせてくれって言ってるようなお願いだもんな」
とご理解頂きましたが・・・いやぁ、残念。今回は無理でしたが、どなたか三池監督のお知り合いいらっしゃいませんか?チョップトップin三池映画、観たくないっすか?

話がそれましたが、こんな感じで、全くもって取り留めのない話を連発するコルチに、いちいち付き合って下さったビルさん、ほんといい人です。 そんなビルさんにコルチもいよいよ調子こいてきまして、
コルチ「明日のトークショーでお願いが二つあるんですが」
ビル「うん、何?」
コルチ「ぜひあの名セリフ‘おれ様のプレート舐めな、この犬のち○こ野郎!’を言って欲しいんですよ」
ビル「あぁ、もちろんさ!やるなって言われてもやるよ」
コルチ「よっしゃ、やった!あとシーズン的にもバッチリかと思いますんで『ヘルブレイン』のラストの‘メリークリスマスそしてよいお年を’ってやつをぜひ」
ビル「いいとも!『ヘルブレイン』ね。あの映画はモンテ・ヘルマン監督自身も大好きなんだよ」
ヨメはん「はぁ、よかった。もしあなたが不機嫌で何もやってくれないって言ったら私、レザーフェイスのマスク被ってサイン会で暴れようかと思ってたんだから」
とかました冗談に対し
ビル「わはは、そりゃいいぞ!よし、君のレザーフェイスを見たいから、明日のサイン会ではわざと不機嫌に振る舞うとするか!」

そんな中、タクシーの運ちゃんが気を利かせて夜景がキレイに見えるルートを通ってくれまして、
ビル「未だに日本にいるのが信じられんよ。この景色はまるで未来のようだね・・・」
フジテレビの社屋や大きな月、荒川の川面に浮かぶ屋形船などなど、東京の夜景にモーズリィ家一同、たいそう感激のご様子でした。

ライトアップされた東京タワーが見えてくると、
ビル「ワォ、あれが東京タワーか。最高だね!キングコングとメカニコングが戦うんだよな」
うはっ『キングコングの逆襲』っすか!ほんと怪獣好きなのね、ビルさん。

ビル「あのオレンジのサインは何?」
コルチ「有名な牛丼屋です」
ビル「おぉ!!ビーフボウルね!!アメリカにもあるよ。あれは?」
ヨメはん「立体駐車場みたい」
ビル「んじゃ、こっちのでかい建物は?」
ヨメはん「ん〜、なんだろこれ。あ、火葬場だわ」
一同「火葬場!!」
と、日本の町並みに興味津々で、フライトの疲れもどこかへ吹っ飛んでるようでした。

そうこうするうちに宿泊先のシェラトン都ホテルへ到着。コルチにとっては夢のような1時間少々のだべりタイム終了。タクシー代金をこちらで支払うと‘ほんと助かるけど、マジでいいの?大丈夫?マジで?’と何度も心配そうに繰り返す律儀なビルさんでした。

荷物を降ろして、
コルチ「それじゃ今日は充分休んでください。明日迎えにあがります」
ビル「OK、今日はありがとう!明日14:00にここで会おう!」
と握手を交わし、ルシンダさんとジェーンにも挨拶を。
傍らではヨメはんがマリオンとハグしてました。そしてホテルの中へ消えてゆくビルさんご一行。 興奮と緊張覚めやらぬコルチは、よろよろと近くの地下鉄へ向かう12/26の夜でした・・・。



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