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モンドはここから始まった MONDO CANE
モンドという言葉の意味はイタリア語で「世界」という意味だが、今広く人々に知られている意味は大分違っているようだ。それは奇異なもの、変わったモノ、そしてやらせ、など広い意味として使われているが言葉の意味を変化させたのはもちろんこの人、グアルティエロ・ヤコペッティGualtiero Jacopetti(1919〜)その人です。   数々のヤラセ映画を世に送り出し、またヒットさせてきた功績は賞賛に値する。しかし映画界ではどういうわけだかこの監督を重要視していないようだ。やらせかどうか、ということも気にはなるがそんなことよりも作品そのものを評価したときにドキュメンタリータッチの映像、人間の興味をひきつけるスキャンダラスな話題、そして音楽の良さ、などなど特筆に価する点はいくらでも上げられる。ヤラセだったからといってそれだけで片付けてしまえるような作品でないことだけは確かといえるだろう。同監督の作品は以下のようなラインナップ。  

 

《監督作品》
* 世界残酷物語(1962)*世界女族物語(1963)*続世界残酷物語(1963)
*さらばアフリカ(1966)*ヤコペッティの残酷大陸(1971)*ヤコペッティの大残酷(1975)


 当店取り扱いのMONDO CANE COLLECTION (BLUE UNDERGROUND:地域コード1 :上にジャケ写真)には 通常の国内版には含まれていない「THE GODFATHERS OF MONDO」も封入!
 「さらばアフリカ」「残酷大陸」にはそれぞれディレクターズカット版も追加DVDとして封入で各2枚、ほか「世界残酷物語」「続世界残酷物語」「世界女俗物語」 全てあわせてナント8枚のDVDがBOX化!怒涛のヤコペッティ世界を堪能せよ!少々高いお値段ですが、おつりが来るほどの充実内容を保障します! 

 「世界残酷物語」、「世界女族物語」DVDの紹介を参考にすると、内容は以下の通りの盛りだくさんぶり!文章で書いてもこのボリューム感はただ事ではない!(写真は紹介作品以外からも使用)
全てに触れると圧倒的エピソード数で気が遠くなりそうなので、他の作品については後日。

★保健所で死を待つ野良犬、一匹が処理されるシーンがタイトルバック。
★ニューギニアのボーイハンティング、逃げまわる男を発情した女どもが追いかける、積極的ザンスねー。
★アフリカ奥地の5年に一度の大宴会!豚数百頭を撲殺!残りの4年は飢えて暮らす覚悟。
★これは悲惨な放射能の恐怖!方向感覚を失った海亀の産卵!海に戻れないでのたれ死に、何故か仰向けになって息絶える!
★犬好きにはショック!中国から犬料理の店、自分で選んで料理してもらう!
★復活祭のため作られるカラーヒヨコ、昔縁日で買った人!これ観てもかわいいなんていってられますか?
★バハマは天国!モーターボートの美女に死ぬほど手を振る水兵さん、お仕事なんかすっかり忘れてる・・・。
★豚の子供を母乳で育てるアフリカの村、子供と豚の価値は同じ!でもブタの子供やけにしっくりおさまってる(クス)。
★ペットの犬にも立派なお墓!アメリカのアホな上流階級、病んでるなぁ。
★ガチョウの喉にエサを流し込め!フォアグラ作りの残酷、食べる人はまずこの映像をみてから!
★牛にはビールを飲ませてさらに全身マッサージ!おいしい松坂牛はこうして作られる!
★ビスマルク諸島の絶倫酋長!カミさん15人、太っているほど美人?
★いかにもなアメリカのダイエットジム風景、おばちゃん無理したら体壊すで!
★イタリアのヘビ祭り!みんなでヘビ持って行進!
★イタリアの奇祭、ガラスで足をずたずたに切り裂くキリスト教の異端、観てる方が痛い!
★なんとサメ漁で生計を立てるライプート村!全員サメに食われて手足が奇数!こうなったらサメの口に毒ウニをぶち込め!
★お酒は人生を豊かにする?ハンブルグの酔っぱらいたち!朝まで飲んで千鳥足、と思ったら昼まで飲んでるよ、いい加減にしろ!
★お仕事後はリラックス!東京温泉は男性天国!下着ギャルがマッサージ!
★中国の死化粧!マカオの葬式!シンガポールの葬式!
★これも芸術?女の体にペンキ塗りたくって女拓をとるイヴ・クライン画伯!
★やっぱりハワイは極楽、引退老人ばかりの観光ツアー!フラダンスでルンルン!
★グルカ族兵士の女装まつり!勇猛な兵隊さんがオカマに変身!
★グルカ族つづき!生きた牛の首を蛮刀でぶった切る!吹き出す血糊、これぞ残酷!
★ポルトガルの牛追い祭りポルカータ!町中を怒り狂った牛が走る角で着かれたら大怪我、死ぬ気で逃げろ!
★ニューギニアの穴居人!彼らは金属を知らない!最後の裸族か?!
★改宗した原住民!顔面ピアスだらけのミサ!信仰深い酋長!
★ヒコーキ様は先祖の霊!驚きのカーゴ・カルト!
(こっから女族物語)
★ローマで兵隊のパレード!しかし兵士の目は観衆のオッパイに釘付け?気合が足らん!
★イスラエル軍の女性部隊、なんかのんびりムードの訓練!現代のアマゾネス達!
★ニューギニアで軍隊を持つ英国人大佐!隊員は全員女でしかも妻!めとったもんだよ84人!
★オーストラリア北の、男だけの島!ジュゴンを捕らえてダッチワイフがわりに?ジュゴンも災難だ!
★さすがおフランス、パリ祭!そこら中で見境なくキスする恋人たち!
★セックス・アピール満点の中世の騎士像にキスする女たち!
スウェーデンの女の司祭!ミサを行える女は世界でコイツだけ!
★ニューギニアの男たちは1日中身づくろい!労働は女まかせ!逆転現象。
★ルバン島のヌーディスト・ビーチ!老若男女がスッポンポンで日光浴!
★シースルーな服を着たまま河で水浴びする中国の女たち!
★ニューギニア・ランブーの原住民!白人のマネして白塗りメイク!
★さすがイタリアの葬式?プロの泣き女たち!数マイルもひびくその泣き声!
★おフランスカンヌ映画祭は美女でいっぱい!演技より色気で勝負だ!
★ハリウッドの女優志望者たち!しがないバイトで食いつなげ!
★いろんな女のパーツを合成して理想の女を!オカシな写真家!
★ここが変だよ日本人!ヌード撮影会に群がるアマチュア・カメラマン!
★&ここが変だよ日本人!街にはんらんするヌード・ポスター!ストリップ小屋!
★&ここが変だよ日本人!学校では性教育!少子化をねらったものだが裏目に!
★&ここが変だよ日本人!女バーテン養成学校!米兵をカクテルでもてなせ!
★&ここが変だよ日本人!西洋マナー学校!フォークが使えない女たち!
★&ここが変だよ日本人!ダイエット教室でがんばる日本のデブ女!
★&ここが変だよ日本人!和服を着ない現代っ子たち!洋服大好き女!
★&ここが変だよ日本人!目を大きく整形する日本の女たち!サリーちゃんみたいになりたいの!ほんと変な日本人!
★ロスのブラ工場!乳首つきパットにだまされるな!
★マレーシアの一妻多夫制!子育ては夫にまかせる女たち!
★マレーシアその2!妻の出産の苦しみをマネする男たち!
★世界で初めて盗撮に成功!ハンブルグの「飾り窓の女」たち!
★ストックホルムの学生寮!スウェーデンといえばフリーセックス!
★スウェーデンその2!週末は郊外へ行く学生!フリーセックス!
★スウェーデンその3!未婚の母ばっかしでも大丈夫!進歩した社会!
★イタリア南部の結婚式!血染めのシーツで処女証明!
★シドニーの未亡人クラブ!夫は忘れてボーリング三昧!
★アメリカ人は何でも車に乗ったまま。カリフォルニアの海岸!並んだ車の中でみんなペッティング!
★香港の女警官隊!売春摘発!なんと8歳〜15歳の売春婦!
★アフリカ奥地で宣教するシスター!ライオンの群れをかいくぐってマサイ族を洗礼
★ボルネオ奥地の奇習!タトゥーが多いほど美人!
★ホラー映画顔負け恐怖の美容整形!顔の皮膚を全部はがして再生!8割は成功!
★アフリカ、ベドウィン族の化粧品はなんとラクダのウンコ!
★ニュージーランドのマオリ族の踊り!実は結婚しないためのまじない!
★スイスの産婦人科で無痛分娩!なんと1000ポンド!でも痛かった!
★アルジェリア・モロッコ国境の女たち!戦場でスクラップ回収、爆弾が頭上をかすめる、伏せろ!
★ラストはやっとまともなシーン、ルルドの泉に集まる巡礼者たち!我が子の病気が治るよう懇願する母親!
 
 ハイ!これ以上は書ききれないので、又の機会に・・・。
このDVDにはまだまだ面白い映像がぎっしり詰まってます。

 衝撃度の高いショックシーンの洪水にとにかく圧倒される。時折挿入される酔っ払いのふらふら千鳥足シーンとかが息抜き効果ありでうまい編集だ。冒頭でも言ったがヤラセかヤラセじゃないかにこだわってみるだけでは決して語れない映画である。仮に(というか事実)ヤラセが入っていたとしても人間が目を背けたくなるような映像を突きつけてそれが事実であってほしくない、自分にはこんな残酷な部分はないと思わせて、結局自らにある種警鐘のようなものをもたらしめるという効果を兼ね備えており、そういう点で本作品は芸術であるといってもいい。数々のエピソードのなかに人間の喜怒哀楽が含まれており思わず笑ってしまうシーンも多くあるが映像を通じて見るものが自分自身を再確認する行為を無意識におこなっていて、しらずしらずのうちに監督ヤコペッティのペースに乗せられていくのだ。

 全体を通じてテンポのよい編集で目を離すまもなく最後まで一気に駆け抜けるパワーが感じられる。そこにリズ・オルトラー二の印象的なBGM「モア」がのせられ、より映像が途絶えることなく美しいつながりをみせている。 1962年作品にもかかわらずその新鮮さ、衝撃度、そして美しさを保ち続けている本作品は作品の性質上表舞台には登場しないものの確実に映画史の一分野をしめる傑作である。この映画を観て、ヤラセだからがっかりしただとか残酷ってタイトルにしてはたいして残酷でもないじゃん、などという者ははじめからこの映画を見る資格なし!と断言する。(島野)




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