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鬼輪番 Demon Spies(1974)
\3300
廃盤
今の映画界、ネタ切れでコミック実写化か続編ばっかり。でもそれは今に始まったことじゃない。70年代のあの小池一夫ブームは一体何だったんでしょうね。しかもよりによって皆面白いときてるからタマラナイ。そこが今と明らかに違うんだな。
今回紹介する「鬼輪番」はそんな小池一夫原作ものでも比較的地味なほうだろう。そんな作品をDVD化してしまうアメリカのメーカーは本当にチャレンジャーだ。
鬼輪番=お庭番というわけで徳川幕府の公儀隠密養成所がどこぞの山奥にあったそうな。そこで選ばれし子供たちが鬼の面を決してはずすことなく果てしなき修行に明け暮れるわけだが、この子達、一体どこからスカウトしてきたんでしょう。と思っている間もなく、今度はいきなり下半身修行となり、紅一点らしき子鬼に若鬼が次々と襲い掛かるというお約束な嬉しい展開。でまぁ、最後まで残った5人の若鬼が新たなゴレンジャーとして幕府の一大事に暗躍する・・・ってこれ「あずみ」ですか?とよくよく見たらプロデューサーはどっちも山本又一郎じゃん!
まぁそんなことはどうでもいい。この映画が素晴らしいのは常に任務とは別のことばっかり考えているリーダー格の近藤正臣でも若者に見えない峰岸徹でもウルトラマンAでもチンピラみたいな水谷豊でも馬並み半立ちの佐藤慶でも笠をとったら妙な髪形の岸田森でもなく、鬼輪番の紅一点、荒巻啓子である!オープニングのクレジットに出る(新人)の文字。そのなかには「女優として生き残るためならどんなことでもします」という意味が込められている。もうこの段階でゾクゾクしちゃうオレ・・・。案の定、しょっぱなのセックス修行から微乳全開バリバリで前貼りだ。しかも華がなく地味なところが男の嗜虐趣味に拍車をかける。もうここからはヨゴレまっしぐらだ。無事、鬼輪番となったものの女郎に変装させられ好色オヤジの抱かれまくり。惚れちまった近藤正臣には優しい一言もささやいてもらえず(別のこと考えてます)、挙句の果てにはこのマヌケなリーダーをかばって犬死にするという救われなさだ。もうオレはここで涙がとまらなかったね。号泣ですよ。よくぞやった荒巻啓子。踏まれても踏まれてもこの経験がきっと後に活きてくる・・・はずはなく、その後「血を吸う薔薇」で岸田森の弄ばれたあとはひっそりとフェイド・アウトしていくのだった。
オレは君を忘れないぜ!忘れるもんか!




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