人間はうまい!
「バタリアン」「エルム街の悪夢」を上回る80年代のホープ


宇宙を舞台に資源開発競争が展開する近未来。土星の衛星タイタンに向かった調査隊を待ち受けるのは、20万年の永い眠りから目覚め、人間を操る能力を持ち、人肉を喰らう恐るべき生物だった!

「バイオスケアード」のウィリアム・マローン監督が「エイリアン」を筆頭に、「遊星よりの物体X」「遊星からの物体X」、ロバート・A・ハインラインの小説「人形つかい」といった要素を詰め込み、さらには、お色気サービスも追加して贈る80年代B級SF映画の良心とも言えるカルトな一本!

本編は35mmカメラネガからの新規4Kスキャン&レストア。これまで満足な画質のソフトが無かった本作だが、これで
顔面をべりっと剥がすゴア描写もより鮮明に蘇った。特典としてメイキング・ドキュメンタリーと、なんと5分長いディレクターズカット版「TITAN FIND」バージョンも収録しており、マニアを泣かしに来ている仕様になっている。

「エイリアン」のあからさまなエピゴーネンの一言で片づけられてしまうこともままある本作だが、クリーチャー造形はCGIを駆使した表現が実現する以前の時代に、人型から極力遠ざかろうという高い志を感じさせる。そんな異形の造形ゆえに犠牲となる動きの方は、パペットマスター的アイディアを導入し、人間に襲わせるという工夫も抜かりなし。低予算でオリジナリティもないものの、そんなことは問題じゃないと、長年ファンを惹きつけて止まないのは、やはりこうしたクリエイターの情熱が随所に感じられるからだろう。


1986年には日本でも「悪魔のサバイバル」との二本立てで劇場公開された本作ですが、80年代ホラーファンのバイブルであるスクリーン別冊「HORROR MOVIES」の第三号では、86年公開予定の新作を紹介する巻頭特集で、なんと今やエバーグリーンホラーとして絶大な人気を誇る「バタリアン」や「エルム街の悪夢」を差し置いてトップで紹介されるという、まさに期待のホープでした!




※ 字幕:英語(メニュー画面には無いので機器からの操作で表示して下さい)

クリーチャー:スリーブケース付き限定版
CREATURE (1985):Limited Edition
   ¥5500